【体験談】食費を削って挫折した主婦が固定費だけで月5万円浮かせた話
「毎月あと5万円あったら」と、ずっと思っていました。
子どもが二人とも中学生になったあたりから、なんとなく毎月の残高が減っていくのが分かるようになりました。特別ぜいたくをしているわけでもないのに、月末になると「あれ、今月も残らなかったな」と。夫の給料が下がったわけでもないのに、なぜか苦しい…そんな状態が一年くらい続いていたんです。
塾代、部活の遠征費、そろそろ考えないといけない進学のお金。ざっくり計算してみて、あと月5万円あれば、この先の数年がぜんぜん違うと気づいてしまったのが、家計を本気で見直すきっかけでした。
最初にやったのは、いちばん分かりやすい食費でした。特売のチラシを見比べて、まとめ買いをして、お菓子は月に一回だけ…と決めて。最初の二週間はうまくいったんです。
でも三週目あたりから、しんどくなってきました。子どもがコンビニのアイスを持ってレジに並んでいるのを見て、つい「今日はいいよ」と言ってしまう自分がいて。夫の飲み会を「今月もう厳しいんだけど」と止めたときの、あの気まずい空気も忘れられません。
一ヶ月がんばって、削れたのは八千円ほど。目標の5万円には、まるで届いていませんでした。しかも家族全員が、なんとなくピリピリしている。我慢で積み上げる節約は、金額のわりに消耗が大きすぎるというのが、そのときの正直な感想でした。
やり方を変えたのは、家計の相談をしたときに「変動費じゃなくて固定費からです」と言われたのがきっかけでした。固定費は一度手続きすれば、翌月からずっと効き続ける。しかも、生活の質はほとんど落ちない。半信半疑でしたが、順番にやってみることにしました。
次が保険です。夫の生命保険、私の医療保険、それぞれに特約がいくつもついていて、内容を説明できる人が家族に誰もいないという状態でした。
証券を並べて確認してもらったところ、入院の保障が夫婦で重なっていたり、子どもが独立したあとまで必要のない大きな死亡保障がついていたり。必要なところは残して、重複と過剰なぶんを整理したら、月々の保険料が7千円ほど下がりました。保障が薄くなった不安もありません。むしろ、中身を把握できた安心のほうが大きかったです。
ここでいちばん悩んだのが車でした。「手放せば月2万〜3万円は浮く」とも聞きましたが、うちは夫の通勤にも、私の買い物にも毎日使っています。田舎とまでは言わないけれど、車なしの生活は現実的ではありませんでした。
そこで、持ったまま維持費を削る方向に。自動車保険を代理店型からネット型に変えて年間で約3万円、乗って十年になる車の車両保険を外して、合わせて月3千5百円ほど。車検も次からディーラーではなく近所の民間工場にして、ガソリンは還元率の高いカードとセルフに固定。ならすと月2千5百円くらいの差になりました。
もし二台目があったり、週末しか乗っていないのなら、話は別。そのときは手放してカーシェアに切り替えるのが、いちばん大きく効くんだと思います。
クレジットカードの明細を一年ぶんさかのぼって眺めてみたら、出てくるわ出てくるわ。動画配信サービスが二つ、無料期間から自動で有料になっていた音楽アプリ、そして半年以上行っていないジムの会費。整理したら月4千円でした。誰も困っていないお金が、静かに毎月出ていっていたわけです。
電気とガスも、プランと会社を見直して月2千5百円ほど。こちらは申し込みだけで、あとは何も変わりません。
ここまでで、削れたのは月2万5千円ほど。目標の半分です。残りをどうするか考えたときに残っていたのが、住居費でした。
十二年前に組んだ住宅ローンを、いまの金利で借り換えたらどうなるか。手数料がかかるので即決はできず、夫と何度も計算し直しました。結果としては、諸費用を差し引いても月々の返済が1万8千円下がる計算に。書類集めは面倒でしたが、一度きりの手間で毎月効き続けると思えば、やる価値は十分でした。
そこに、最初に挫折した食費の話がようやく戻ってきます。ゼロから我慢するのではなく、週に何回か寄っていたコンビニを減らす、それくらいの緩さで月7千円。無理をしていないので、これは今も続いています。
全部を足すと、月にちょうど5万円と少し。始めてから三ヶ月ほどで、通帳の減り方が明らかに変わりました。
やってみて分かったのは、月に5万の節約は「がんばる量」ではなくて「どこを触るか」で決まるということでした。スーパーで十円安い卵を探して歩いた一時間より、スマホの契約を変えた一時間のほうが、何十倍も家計を助けてくれた。それが正直な実感です。
もし今、以前の私と同じように月末の残高を見てため息をついている方がいたら、まずはスマホの明細とクレジットカードの明細を一年ぶん眺めてみてください。我慢を増やさなくても削れるお金が、たぶんそこにあります。